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「赤字会社の買収で節税はできるのか?」といった質問をときどき受けることがあります。
この質問に対してお答えしているのは、昔は赤字会社の繰越欠損金で節税ができましたが、現在は難しいということです。
赤字が続いている会社は、税務上の繰越欠損金というものがたまっていることが多くあります。利益(課税所得)がでたときに、繰越欠損金と相殺することで利益(課税所得)に連動した税金を圧縮することができるので、自分が経営している会社の利益とぶつければ節税になるのではないかと考えているわけです。
昔は赤字がたまった休眠会社を買収して、自分の会社の黒字事業を休眠会社に移すといった方法で節税を図る事例が横行していました。
しかし、税制改正が重ねられた結果、現在は50%を超える株式を取得したり、合併等の企業再編を行った場合は、税務上の繰越欠損金の利用に一定の条件や制限がつけられています。
節税を目的として、赤字の会社・事業を買収するときは、損益を黒字転換させる目途がないと、買収するメリットがなさそうなので気をつけたいところです。
秋本伊一
アドバンストアイ株式会社 取締役/公認会計士・税理士
大手監査法人勤務を経て、当社参画。税務・会計面からM&Aに際しての最適なストラクチャー検討を重ねる。中小企業特有の資金調達についても数多く関与。
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